
Hirose Sake Works

eight Sake Brewery
About「eight」
「次の時代へ、日本酒の“新しい八景”を」
かつて日本酒は、地域の風土と職人の技術によって
その地域の生活や食文化に合った「土地の酒」として愛されてきました。
しかし現代、ライフスタイルや嗜好の多様化により、お酒そのものを飲まない人が増え、日本酒業界は厳しい岐路に立たされています。
日本酒業界が抱えている厳しい問題点について私なりに考え導き出した答えが「eight」です。
eightは製造場所を持たない“ファントムブルワリー”という形で、志を同じくする複数の酒蔵と手を取り合い、それぞれの技術や伝統、味わいを掛け合わせることで、これまでにない日本酒の可能性を拓いていきます。
ただ既存の日本酒をアッサンブラージュ(ブレンド)するだけでは無く、既存の銘酒を原酒として活かしつつ、再発酵させたり焙煎香や樽香といった日本酒の枠を超えた香味を、あくまで清酒の定義の中で丁寧に表現しています。
それはまるでウイスキーやワイン、クラフトビールのような多重層的な味わいでありながら、口に含めば確かに“日本酒”としての美しさを宿しています。
「eight」はこれからのスタンダードを創る日本酒です。
それは一つの酒蔵では成し得なかった新しい日本酒業界の在り方なのかも知れません。
私はそう信じ、これからの日本酒業界の“日本酒八景(eight views)”を作って行きます。
飲む人の嗜好が分かれるこの時代だからこそ、酒類業界の境界を越え、酒蔵も、技術も、風味も、飲み手も繋がり合える余白を持った酒が必要だと私は考えます。
伝統と革新の、あいだに立つ酒。
eight──それは、次の世代と日本酒をつなぐ懸け橋です。
Brand Story
なぜ今、eightが必要なのか?
1. 日本酒業界の構造的な課題へのアプローチ
日本酒業界は現在、深刻な課題に直面しています。
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飲酒人口の減少
若者を中心にお酒を飲まない層が増え、家庭での晩酌文化も薄れつつある。
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高齢化と後継者不足
酒蔵の多くは家族経営で、後継者が見つからず廃業する例も多い。
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過剰な競争と差別化の困難
多くの酒蔵が地域ブランドに依存しており、市場での生き残りが難しくなっている。
誰のためにあるブランドなのか?
1. 普段日本酒以外のお酒を楽しむ方や日本酒愛好家
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日本酒は「一度ハマれば美味しいけど、入り口が分かりにくい」と言われます。eightは日本酒に馴染みのない若い世代や、クラフトビールやワイン、ウイスキーなどを好む層に向けて、**香り”や“味わいの多重性**といった分かりやすい魅力を伝える役割を果たします。
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「日本酒っぽくないけど、日本酒らしさも感じる」…そんな未体験の心地よさが、eightの特徴です。
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日本酒愛好家の方には日本酒の可能性を改めて感じていただきたいと考えています。
2. 日本酒の未来を憂う新しい業界地図
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ファントムブルワリーとしてのeightは、酒蔵にとって「新しい出口戦略」となります。既存の銘柄を原酒として提供し、eightが加工・ブランディングを加えることで、新たな販路と話題性を獲得できます。
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経営的にはリスクが少なく、技術的にはチャレンジングな取り組みに関われるため、小規模酒蔵が持続可能な形で生き残るヒントになります。
3. 本物志向の飲み手
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シングルモルトやナチュラルワイン、クラフトビールのように、「作り手の哲学」や「工程の工夫」を重視する層に対しても、eightは単なる話題性にとどまらない深みとストーリー性を提供します。
eight誕生の背景
1. 「単独の酒蔵では作れない味わい」をつくりたい
日本酒は通常、単一の酒蔵で製造された日本酒をそのまま自身の蔵のブランドとして出荷されます。しかしeightでは「既存の銘柄を原材料として」扱うことで今まで生み出せなかった新しい味わいを**複数蔵の特徴**を活かしながら作り上げる新しい製法を生みだしました。
これは一種の“アッサンブラージュ(ブレンド)”のようでありながら、味わいがさらに発展していける新技術を、清酒の範囲内で再構築した点が革新的です。
2. 日本酒の“外側の魅力”を内包したい
クラフトビールが持つホップの香り、ウイスキーのスモーキーさ、ナチュラルワインの土着感など、日本酒もまた、もっと香りや味わいに広がりを持てるはずだという発想から「eight」はスタートしています。
eightの日本酒には、原料焙煎による香ばしさ、木樽の木香、長期熟成による奥行きといった、従来の日本酒ではあまり表現されなかったアプローチが用いられています。これにより、日本酒を飲み慣れた人にとっても「これは初めての感覚だ」と感じられる体験が実現しています。